設 立 趣 旨

 「ここに住んでいいとか悪いとか、誰がきめる?! 生命あるものはどうやってでも生きて行かんといけんのじゃ!」

 

 これは、どれほど嫌がらせを受けようが、日々を生き抜いている者が、腹の底から上げた怒りの声です。どこで暮らそうが、人はどうやってでも生きていかなければなりません。生まれや思想・信条・信仰の違いはあっても、与えられた生命(生)を全うすることは当然の権利です。生きることを否定することは誰にもできません。

 

 ところが、今の日本では逆のことが起きています。特に少数者(マイノリティ)はその生存さえ脅かされています。在日外国人・被差別部落出身者・障害者・性的少数者(LGBT)といった少数者への醜悪な攻撃、「〇〇は出て行け!」とか、「〇〇は殺せ!」という問答無用の罵声を繰り返し浴びせかけられています。そして、より深刻なことは謂れなき罵倒を受けても反撃の声すら上げられない者への共感共苦の欠落です。

 

 さらに、攻撃の対象になっているのは少数者だけではありません。日本の歴史や政治・社会に批判的な者に対してもなされています。公然となされる攻撃とその背後にいる匿名の誹謗中傷者の膨大な存在。日本は違いを許さない社会になろうとしています。

 

 ところで、排除は少数者だけに向けられるのでしょうか。攻撃する者にとって、その対象は無制限です。違いを許さない同調圧力の中では誰もが排除・選別の対象になりえます。

 だからこそ、こうした日本社会のありようを変えて行かなければならないと思うのです。違いを口実に一方的に切り捨て否定するのではなく、異なる文化や価値観とも対話ができる社会にしたい、違いを問うのではなく、「どう生きるのか」に価値をおく社会に。それは「ともに生きる」ことができる社会だということです。そう願って、この会を立ち上げます。

                   特定非営利活動法人共生フォーラムひろしま

                             理事長  李  周 鎬